インドカレー屋さんが潰れない理由。驚異の原価率と利権問題。

 

どうも、とあてんです!

初投稿となる今回では、投稿主の僕が愛してやまないインドカレーを取り上げたいと思います。

 

 

みなさんは、インドカレー屋さんが増えてきたと感じることはあるでしょうか。

実際、2008年から2017年にかけてインドカレー屋さんの数は4倍まで増加しているのです!

 

なぜそれほどまでに増加しているのでしょうか?

 

確かに、食欲をそそるスパイスの香りや店内で焼きあげられる巨大なナンは、今となっては男女問わず人気の食べ物となっています。

 

しかし本当に理由はそれだけでしょうか?

 

僕の住んでいる地域にもいくつかインドカレー屋さんがあり、頻繁に利用しています。

接客も味も申し分なくむしろとても気に入っているお店なのですが、いつもお客さんが入っていません。

 

それでも経営が成り立っている理由について、財務の切り口からひも解いてみました。

 

今日は、インドカレー屋さんの増加の理由と、それを調べる中でみつけた業界の闇について発信していきたいと思います。

 

 

 

インドカレー屋さんの件数は2008年以降激増している

 

冒頭にも書きましたが、

インドカレー屋さんの数は2008年から2017年にかけて約4倍に増加しております。

 

 

タピオカミルクティーパクチーなどと同様に、

流行の波に乗れたことが大きかったことは容易に想像できます。

確かにそれも大きな要因のひとつといえるでしょう。

 

しかし、大幅な増加の要因はそれだけではありません

 

それは、インドカレー屋さん経営の内部分析をすることで見えてきます。

今回はシンプルに、下記3点に絞ってビジネスモデルを紐解いていきましょう。

 

 

[売上原価(食材費)]原価率〇%!?格安の仕入費用

 

食べきれるかどうか不安になってしまうほど大きなナンもインドカレー屋さんの魅力の一つですが、みなさんはこのナン1枚の原価をご存じでしょうか。

 

 

僕の近所のお店を例にすると、プレーンナンは1枚100円で販売されております。

一般的な飲食店の原価率が30%とすると30円程度かなぁと推測できます。

 

しかしなんとナン1枚の一般的な原価は驚異の20円程度!!

さらに、チーズやゴマ、ガーリックなどの特殊なナンにした場合でも30円程度で作れてしまうのです。

チーズナン300円だとしたら原価率10%...おそろしや...

 

とにかく原価がかからない。こりゃ儲けるわけですね。。。

 

[人件費]人材調達にブローカーの影?就労ビザの利権問題

 

みなさんは、インドカレー屋さんで働く人の多くがネパール人であることに違和感を感じたことはないでしょうか。

事実、ほとんどのお店ではネパール人やバングラデシュ人が多く働いているのです。

 

 

 

 

そもそも日本で外国人コックを雇うためには、下記の条件が必須です。

10年以上の調理経験を証明するため本国での在籍証明書が必要

 

本来ではこの条件がネックになるのですが、

ネパールやバングラデシュではこの在籍証明書がブローカーの間で高値で取引されており、現地で働く人々が日本に流入してきている、というわけです。

ちなみに、なぜネパール人やバングラデシュ人が高値で在席証明書を買っているのかというと、ヒンドゥー教カースト制度が関係しているからです。

(参考:9.インドの古典文明 – 世界の歴史まっぷ

 

 

 

 

現代では既にカースト制度は解体されていますが風習としては根強く残っており、生まれた家庭によって就職できる企業にも制限があるのもまた事実です。

 

そうした環境を抜け出すため、一獲千金を夢見て日本に来ているのが彼ら、インドカレー屋さんのコックなのです。

 

ネパールの物価は日本の1/3であるため、安い労働力でもどんどん人が集まる。

仮に経営が上手くいかなくてもスクラップアンドビルドで新しく開店すれば容易にリスタートできる。

そうしたある種の「手軽さ」がインドカレー屋さんのつぶれない理由の一つとなっています。

 

[投資キャッシュフロー]出店コストは他業種の半額以下!?

 

一般的なラーメン屋さんを例にした場合、

出店に必要なコストは2,000~3,000万円といわれる一方で、

インドカレー屋さんの出店に必要なコストは500~1,000万円程度だといわれています。

 

これは、ラーメン屋さんがコンロだけでなく、湯で麺機・寸胴・大型冷蔵庫・作業台等の厨房設備を多く要するのに対して、インドカレー屋さんは特殊な調理器具を使わないため、少量かつ省スペースの厨房設備で出店できることが大きな要因となっております。

 

 

つまり、ローコストで開業したいと思っている経営者にとってはうってつけの業種というわけですね。

 

おわりに

今回は特にコスト面から紐解いていくかたちでインドカレー屋さんの経営について調べてみました。

これまで解説してきた通り、インドカレー屋さんは出店コストも低く、店舗維持にかかる経費も少なくて済むことから潰れにくいということがわかりました。

 

人材調達に際してブローカーが関与していることだけでなく、背景にはその国独特の文化が深く関わっている点が非常に興味を惹かれましたが、みなさまはいかがだったでしょうか。

 

今後も引き続き新たに得た学びを共有したいと思います。

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